はじめに
当サイトでは、規格書やメーカーの製品情報などをそのまま記載しているため、一部の用語がわかりにくい部分があるかと思います。
また、各解説ページでもどうしても専門用語を使わざるを得ない部分があるため、簡単になりますが、ここで解説していきます。
このページの記述は特に塗料に限った解説となります。同じ単語でも、別の分野では別の使われ方をする場合があります。
目次
あ行:隠ぺい率/エマルション/上塗り適合性/
か行:加熱残分/鏡面光沢度/強溶剤/
さ行:さび止め/弱溶剤/所要量/
た行:耐光性/耐候性/耐水性/艶/低温安定性/塗装仕様/
な行:塗付け量/粘度/
は行:防火認定/ポットライフ/
ま行:無溶剤/
や行:油性塗料/溶剤/
A~Z:F☆☆☆☆/JASS/JIS/VOC/
隠ぺい率【いんぺいりつ】
用語解説:エナメル塗料が下地色を隠す力、隠ぺい力を100分率で表したもの。
JIS K 5600-4-1 隠ぺい力(淡彩色塗料用)
JIS K 5600-4-2 隠ぺい力(低明度塗料用)
に共通する方法が示され、個別の条件や評価方法はそれぞれの塗料規格に定められている。
JIS K 5600-4-1 隠ぺい力(淡彩色塗料用)の方法B(隠ぺい率試験紙)などが一般的に使われる。
これは、黒地に白い塗料を塗って、どれだけ下地の黒が透けるかを色差で判断するもの。
隠蔽率と記載する場合もある。
関連用語:―
関連規格:JIS K 5660、JIS K 5663、JIS K 5658、JIS K 5659 等の、上塗りに使用するエナメル塗料
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エマルション【えまるしょん】
用語解説:一般には、液体溶媒に混ざり合わない液体が分散されているものを指す。
ただし塗料分野においては、乳化重合で得た合成樹脂エマルション(ラテックス)を含めて指すことが多い。
詳細な定義については関連記事の余談を参照の事。
エマルジョン、乳濁液。
関連用語:―
関連規格:JIS K 5660、JIS K 5663
関連記事:JIS K 5660
上塗り適合性【うわぬりてきごうせい】
用語解説:下塗り塗料や中塗り塗料が、その次工程で使用される塗料に適合するかの試験。
JIS K 5600-3-4 製品と被塗装面との適合性に共通する方法が示され、
個別の条件や評価方法はそれぞれの塗料規格に定められている。
基本的に、その試験仕様に定められた同メーカーの上塗り規格塗料を塗装し、評価は外観による。
(試験規格にメーカー指定の記述があるとは限らないが、JASS18の解説などでは同メーカーを前提としている)
関連用語:―
関連規格:下塗り塗料、中塗り塗料において非常に多数
関連記事:JASS18 M-109、JASS18 M-111、その他
加熱残分【かねつざんぶん】
用語解説:塗料液を加熱した際に残る量を確認する試験項目。
加熱後の質量を加熱前の質量で割った百分率であらわす。
JIS K 5601-1-2 加熱残分に共通する方法が示され、
個別の条件や評価方法はそれぞれの塗料規格に定められている。
加熱温度105±2 ℃ 1~3時間が一般的。
顔料についてはJIS K 5101 15-2 強熱残分 にて600℃ 1時間
強熱残分、固形分、NV(Nonvolatile content)、ノンボラ。
関連用語:―
関連規格:JIS K 5621、JIS K 5674、JIS K 5553その他
関連記事:―
鏡面光沢度【きょうめんこうたくど】
用語解説:斜め方向から対して入った光を塗膜が逆の方向に正反射する度合いを数値で表す。
ただし、鏡面光沢度100は元の光を100%反射したという意味ではなく、
基準となる物質の鏡面光沢度を100とした場合の相対的な数値。
定義や基準物質はJIS Z 8741に規定されている。
測定時の光の入射角により数値が大きく変わるため、「〇度光沢が××」のように角度を含めて記載される。
20度、60度、85度などが一般的で、建築塗料の規格においては60度光沢が用いられることが多い。
単に光沢、光沢度ともいう。艶。グロス。
関連用語:艶
関連規格:JIS K 5660、JIS K 5658、JIS K 5659 (いずれも上塗りは60度光沢が70以上)
関連記事:JIS K 5660、JIS K 5658、JIS K 5659
強溶剤【きょうようざい】
用語解説:有機溶剤の中で、弱溶剤でなく、また一価の低級アルコール系でもないもの。
弱溶剤/強溶剤と同じ意味で弱溶剤/溶剤という場合もあり、その場合は単に溶剤という。
主溶剤分が強溶剤である塗料、または強溶剤で希釈する塗料を(強)溶剤系塗料という。
関連用語:溶剤 弱溶剤
関連規格:非常に多数。規格内に水系、水性、エマルジョン系と記述がない場合は基本的に溶剤系であるため。
関連記事:JASS18 M-109、塗料と溶剤
さび止め【さびどめ】
用語解説:金属部にさびが発生しないようにすること、その塗料。さび止めペイント。さび止め塗料。
塗料分野ではさび処理剤や防錆剤そのものやさび転換剤でなく、さび止め顔料を含んだ塗料をさす。
さび止め顔料にはいくつかの種類があるが、その中でも代表的な鉛系やクロム系は、現在市販される塗料では忌避されており、あまり使われない。
関連用語:―
関連規格:JIS K 5551、JIS K 5621、JIS K 5674、JASS18 M-109、JASS18 M-111
関連記事:JIS K 5551、JIS K 5621、JASS18 M-109、JASS18 M-111
弱溶剤【じゃくようざい】
用語解説:広義には、臭気や溶解力の比較的低い有機溶剤。
狭義には、いわゆる塗料用シンナー。芳香族炭化水素を含む場合と含まない場合がある。
芳香族炭化水素を多く含むものをHAWS、少ないものをLAWSという。
弱溶剤の定義については関連記事「塗料と溶剤」で解説している。
主溶剤分が弱溶剤である塗料、または弱溶剤で希釈する塗料を弱溶剤系塗料という。
関連用語:溶剤 強溶剤
関連規格:JASS18 M-109、JASS18 M-201 その他多数(JASS18は「〇〇及び弱溶剤系〇〇」という規格名が多い)
関連記事:JASS18 M-109、塗料と溶剤
所要量【しょようりょう】
用語解説:製品情報などで、基材の一定面積を塗装するために必要とする塗料の量。必ず単位も併記される。
建築分野ではkg/㎡が一般的な単位だが、L/㎡、g/㎡などもよく使用される。
所要量は、際に基材に付着させる量である塗付け量、塗布量、塗着量に、塗装時のロスを加えた数値。
また製品1缶あたりどれだけの面積塗装できるかという意味で、㎡/1缶(**kg)という表現も一般的。
関連用語:塗付け量
関連規格:規格としての塗装仕様にはあまり使われないが、メーカーの塗装仕様には一般的に記載される。
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耐光性【たいこうせい】
用語解説:塗膜や材料などが、光による劣化に対してどの程度の抵抗性をもつかという指標。
試験項目としては、促進耐光性試験があり、
JIS K 5600-7-7 促進耐候性及び促進耐光性(キセノンランプ法)
JIS K 5600-7-8 促進耐候性(紫外線蛍光ランプ法)
に方法が示されている。
JIS K 5600-7-5 耐光性
は廃止されている。
耐光性は耐候性の一部を構成するが、混同しないように注意が必要。耐紫外線性。
関連用語:耐候性
関連規格:―
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耐候性【たいこうせい】
用語解説:塗膜や材料などが、外的環境による劣化に対してどの程度の抵抗性をもつかという指標。
試験項目としては、屋外暴露耐候性と促進耐候性とがある。それぞれ
JIS K 5600-7-6 屋外暴露耐候性
JIS K 5600-7-7 促進耐候性及び促進耐光性(キセノンランプ法)
JIS K 5600-7-8 促進耐候性(紫外線蛍光ランプ法)
に共通する試験方法が示され、個別の規格でそれぞれの条件が規定されている。
促進耐候性については現行の塗料JIS規格に定められているキセノンランプ法と紫外線蛍光ランプ法のほか、
下記のような試験方法、試験機器が一般に使用される。これに限らない。
・スーパーキセノン(SXWOM)
キセノンアーク灯を光源とし、通常のキセノンよりランプ強度が高く促進倍率を高くした方式
・超または高速促進耐候性(SXWOM+H2O2)
キセノンアーク灯を光源としたスーパーキセノンに加え、
過酸化水素水噴霧することでさらに促進倍率を高くした方式。
・サンシャインカーボンアーク式(SWOM)
カーボンアーク灯を光源とする。やや促進倍率が低いが、屋外暴露との相関性が高くデータ蓄積も多い。
過去にはJIS K 5400やJIS K 5600-7-5で定められていたが、いずれも廃止された。
また、塗料以外では現行JISにも使用される。また塗料でも規格試験以外では現行。
・メタルハライドランプ式(S-UV)
メタルハライドランプを光源とする。非常に促進倍率が高い一方、屋外暴露との相関性は限定的。
関連用語:耐光性
関連規格:JIS A 6909ほか非常に多数(主に外部の上塗りを想定した規格には入っていることが多い)
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耐水性【たいすいせい】
用語解説:塗料が‐5℃で凍結や凝集などによる変質が発生しないかを確認する試験項目。
JIS K 5600-6-1 耐液体性に共通する方法が示され、
個別の条件や評価方法はそれぞれの塗料規格に定められている。
水の場合、一般的には方法1(浸せき法)が用いられ、
浸漬した試験体と浸漬していない試験体と比較し、外観異常がないかなどを判断する。
浸漬時間や試験体などは規格によりさまざま。
ただし基本的な性能でもあるため、より負荷の高い耐酸性や耐アルカリ性が
品質規格に入り、耐水性が入らない場合もある。
関連用語:―
関連規格:JIS K 5660、JIS K 5663、JIS K 5670、JIS K 5669(その他多数)
関連記事:JIS K 5660、JIS K 5663、JIS K 5669
艶【つや】
用語解説:数値としては光沢度のことだが、製品名や製品スペックとしての光沢は艶という言葉が一般的に使用される。
艶消し(つやけし)、艶有(つや有、つやあり)というように表記する。
艶有を10分艶、艶消し0分艶と想定し、その中間を5分艶または半艶
また割合によって2分艶、3分艶、7分艶などがある。
「3分艶消し」といった場合は「7分艶(7分艶有り)」をさす。
規格に定められているものを除き、鏡面光沢度と製品の艶の呼称は必ずしも一致しない。
艶有といっても、製品によって60度光沢が50程度から90程度まであり、艶消しといっても0でも10でも構わない。
また、同じ製品でも5分艶が艶有と艶消しの数値的な中間になるとは限らない。
分野を限ればある程度の基準はあるものの、光沢度との関係性はメーカーの内部規格による。
光沢。グロス。
関連用語:鏡面光沢度
関連規格:―
関連記事:―
低温安定性【ていおんあんていせい】
用語解説:塗料が‐5℃で凍結や凝集などによる変質が発生しないかを確認する試験項目。
JIS K 5600-2-7 貯蔵安定性 a) 低温安定性 に共通する方法が示され、
個別の条件や評価方法はそれぞれの塗料規格に定められている。
主に水系のエマルション塗料に用いられる。
関連用語:―
関連規格:JIS K 5660、JIS K 5663、JASS18 M-111 (その他水系塗料規格の多数)
関連記事:JIS K 5660、JIS K 5663、JASS18 M-111
塗装仕様【とそうしよう】
用語解説:塗装の方法(種類、薄め方、塗り方、量、仕様道具、検査方法など)を示したもの、その書類
大きく分けて下記の三つがある。
①JISやJASSなどに定められた塗装仕様や、施主などが定めた塗装仕様
特定の製品名を記載せず、同種の複数の製品に適用できるようになっているもの。
当サイトで塗装仕様といった場合は主にこれを指す。関連記事の塗装規格を参照。
②製造者の定める塗装仕様
塗料の製造者が個別の製品について具体的な使い方を示したもの。
塗料のカタログやパンフレットに記載されていることが多い。標準塗装仕様。
③塗装者の定める塗装仕様
工場塗装などで、基本的に社内やそれに準じる範囲でのみ使用されるもの。
②がベースになることが多いが、独自に品質検査などが織り込まれたり、
製造者と協議の上作成される場合もある。
などがある。また、個別案件に対して作成される場合もある。
関連用語:―
関連規格:関連記事を参照
関連記事:このサイトで取り扱う規格
塗付け量【ぬりつけりょう】
用語解説:塗装仕様などで、基材に塗料を付着させる量。必ず単位も併記される。
建築分野ではkg/㎡が一般的な単位であり、これは被塗物1㎡あたりに付着させる塗料のkg重量を表す。
塗付け量は塗装ロスを含まない数値であり、塗布量、塗着量と同義。
所要量(使用量)と同じ単位だが示す範囲が違うため注意が必要。
関連用語:所要量
関連規格:塗装仕様には必ず記載。
関連記事:―
粘度【ねんど】
用語解説:液体の粘り気を示す指標であり、せん断応力とせん断速度の比。塗料においても塗装においても一般的な管理項目。
JIS K 5600-7-2 粘度
フローカップ法(測定値:秒)
ガードナー形泡粘度計法(測定値:ストークス)
ストーマー粘度計法(測定値:KU値)
JIS K 5600-7-3 粘度(コーン・プレート粘度計法)(測定値:P、Pa・S等)
などに試験方法が規定されている。それぞれ、粘度あるいは動粘度のいずれかを測定する。
塗料規格での定めはあまりないが、個別の製品規格や使用方法にて使用される。
一部の規格試験では、希釈の程度を示すためフローカップ法が指定されることがある。
(「既定の秒数になるように希釈」など)
また粘度測定や粘度単位は上記に限らず多様。
関連用語:―
関連規格:―
関連記事:―
防火認定【ぼうかにんてい】
用語解説:内装の塗装などで指定される、不燃材料、準不燃材料、難燃材料の認定。
建築内装用の塗料で取得しているものが多い。
耐火とは異なる。
詳細は関連記事を参照
関連用語:―
関連規格:―
関連記事:防火材料認定
ポットライフ【ぽっとらいふ】
用語解説:多液の塗料を混合してから、使用できる限度の時間。
また、その時間で使用できることを確認する試験項目。
JIS K 5600-2-6 ポットライフ に共通する方法が示され、
個別の条件や評価方法はそれぞれの塗料規格に定められている。
可使時間。
特にポットライフの短い製品は時間管理が重要。
ポットライフを過ぎたものをシンナーで薄めて使ってはいけない。
関連用語:―
関連規格:JIS K 5658、JIS K 5659 、JASS18 M-109(その他2液塗料規格の多数)
関連記事:JASS18 M-109
無溶剤【むようざい】
用語解説:有機溶剤を含まない材料や塗料
含有が一定未満であれば無溶剤と見なすことがある。
詳細は関連記事を参照
関連用語:強溶剤、弱溶剤、溶剤
関連規格:―
関連記事:塗料と溶剤
油性塗料【ゆせいとりょう】
用語解説:一般に油性とは、水性(水溶性、親水性)に対して、
油性(油溶性、脂溶性、親油性)であることをさす。
ただし、塗料分野で油性塗料といった場合には、
①油溶性、親油性の塗料、溶剤系塗料全般
②硬化成分が乾性油、不乾性油など植物油系の塗料
代表的にはフタル酸樹脂塗料を含むアルキド樹脂塗料や、乾性油塗料そのもの、天然塗料
という、2つのいずれかの意味で使われ、どちらであるかは文脈により判断される。
関連用語:溶剤、弱溶剤
関連規格:―
関連記事:塗料と溶剤
溶剤【ようざい】
用語解説:広義には、他の物質を溶解させて均一な溶液を作る液体。溶媒。
塗料分野で溶剤といった場合には水を除外し、特に有機溶剤をさす。
また強溶剤、弱溶剤、その他に分かれる。
主溶剤分が有機溶剤である塗料、または有機溶剤で希釈する塗料を溶剤系塗料という。
油性塗料といった場合には、溶剤系塗料を指す場合もあるが、
天然塗料など硬化成分が植物油系の塗料を指す場合もあり、注意が必要。
詳細は関連記事を参照
関連用語:強溶剤、弱溶剤、無溶剤
関連規格:―
関連記事:塗料と溶剤
JASS【じゃす】
用語解説:一般社団法人 日本建築学会の出版する建築工事標準仕様書
Japan Architectural Standard Specificationの略
公式サイト
塗料分野では、主にJASS18 塗装工事、JASS8 防水工事などが使われる。
当サイトではJASS18に定められた品質の塗料を検索可能。
関連用語:―
関連規格:JASS規格(多数)
関連記事:このサイトで取り扱う規格
JIS【じす】
用語解説:産業標準化法に基づき制定された日本産業規格(旧:日本工業規格)のこと。
Japanese Industrial Standardsの略
塗料分野では、塗料の品質や塗料の試験方法、使用する道具などが定められている。
当サイトではJIS規格に合致する塗料を検索可能。
関連用語:―
関連規格:JIS規格(多数)
関連記事:このサイトで取り扱う規格
F☆☆☆☆【えふふぉーすたー】
用語解説:内装の塗装などで指定される、ホルムアルデヒドの放散等級。
放散量によってF☆☆、F☆☆☆、F☆☆☆と等級が分けられるが、
塗料分野ではほぼF☆☆☆☆のみ。
詳細は関連記事を参照
関連用語:―
関連規格:―
関連記事:F☆☆☆☆
VOC【ぶいおーしー】
用語解説:揮発性有機化合物。多くの有機溶剤が該当する。
国内では大気汚染防止法に定められている。
大気中への放出の多くは塗料からであり、塗料分野ではVOCの削減が強く求められている。
詳細は関連記事を参照
関連用語:強溶剤、弱溶剤、溶剤
関連規格:―
関連記事:塗料と溶剤、塗料と〇〇フリー①
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公開日 2025/10/5
最終更新2025/12/21
