JIS K 5674 鉛・クロムフリーさび止めペイント イメージ図 男性が金属門扉を赤さび色の塗料でローラー塗装している

JIS K 5674 鉛・クロムフリーさび止めペイント

概要

JIS K 5674は「鉛・クロムフリーさび止めペイント」についてのJIS規格で、一般的な環境下での鉄鋼製品及び鋼構造物などのさび止めに用いる塗料で,鉛フリー及びクロムフリーのさび止め顔料を含む,鉛・クロムフリーさび止めペイントについての規定です。
2025年10月時点の最新はJIS K 5674:2019であり、詳細な規格の内容は下記をご確認ください。
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- 目次プレビュー(JSA)

種類

JIS K 5674には、下記のような種類があります

種類 揮発成分
1種 有機溶剤
2種 主に水

1種は溶剤系であり、2種は水系です。
品質項目も、違いは低温安定性加熱残分のみで、溶剤系と水系でほぼ同等の性能が求められています。

主な製品

JIS K 5674 に該当する主な製品は下記の通りです。

- 塗料データベース内検索

メーカー 品名
1種
カナヱ塗料 サビロンムエン
関西ペイント ラスゴンセーフティ(K)
神東塗料 超速乾リンサンデラストHB
大同塗料 ダイドーエコサビ速乾型
ダイドーエコサビ超速乾型
ダイドーエコサビ2-Times Coat
大日本塗料 グリーンボーセイ速乾
グリーンボーセイ超速乾
グリーンズボイド速乾下塗
中国塗料 エコメイト100
トウペ 速乾クリーントアボーセイ
クリーントアボーセイQD
カラートアボーセイ#100
日本ペイント 速乾PZヘルゴンエコ
超速乾型PZヘルゴンエコ
2種
インターナショナルペイント IP水性メタルコート サビ止め
大日本塗料 水性グリーンボーセイ速乾
トウペ 水性クリーントアボーセイ
日本ペイント 水性ハイポンプライマー

※ 主に認証品を記載していますが、一部相当品やJIS表示停止中のものが含まれる場合があります。必ず個別ページ及びメーカー情報をご確認下さい。

2種の水系さび止めについては、
JASS18 M-111 水系さび止めペイント
の記事にて比較・考察したとおり認証品は少ない傾向にあり、
ここでも4製品挙げてはいますが、
水性クリーントアボーセイはおそらく認証取得品、
・水性グリーンボーセイ速乾は不明(JIS認証取得している情報もあれば、していないと思われる状況もあり)
・IP水性メタルコート サビ止め水性ハイポンプライマーはおそらく相当品
と思いますが、所持資料やネット上に確定情報が無いため、詳細については各メーカーにご確認お願いいたします。

塗装仕様・必要とされる場面

主に、公共工事建築仕様書などでJIS K 5674 1種が必要とされます。
詳細は以下の仕様書を参照ください。直接該当ページへとリンクしています。

  • 公共建築工事標準仕様書 建築工事編(令和7年版)

  3節 錆止め塗料塗り

  • 公共建築改修工事標準仕様書 建築工事編(令和7年版)

  4節 錆止め塗料塗り

また、JASS18の下記塗装仕様にも、JIS K 5674が記載されています。

  • 3節 金属系素地面塗装
    SOP、FE(JIS K 5674 1種
    EP-G(JIS K 5674 2種

そのほか、土木工事共通仕様書などでJIS K 5674(種別指定なし)が必要とされます。
詳細は以下の仕様書を参照ください。

深堀り:JIS K 5674 と JIS K 5621は何が違うのか

その目的や品質項目などを見ると、JIS K 5621JIS K 5674は非常に似通っています。
この2つの規格、特に溶剤系であるJIS K 5621 2種JIS K 5674 1種について、何が違うのか調査してみました。

JIS説明の違い

まずわかりやすいのが、JIS説明文の違いです。

JIS K 5621
 この規格は,さび止め顔料に鉛系及びクロム系成分を使用しないで,一般的な環境下での鉄鋼製品などのさび止めに用いる一般用さび止めペイントについて規定する。ただし,JIS K 5674 に規定する鉛・クロムフリーさび止めペイントは除く。

JIS K 5674
 この規格は,一般的な環境下での鉄鋼製品及び鋼構造物などのさび止めに用いる塗料で,鉛フリー及び
クロムフリーのさび止め顔料を含む,鉛・クロムフリーさび止めペイントについて規定する。
注記 この規格は,環境対応で廃止された,各種鉛含有 JIS さび(錆)止めペイントの代替えとして
開発され,JIS K 5621 よりも長期間にわたる屋外での防食性を求められている塗料である。

互いに具体的な規格名に言及し、めちゃくちゃ相手を意識しています。
前半だけ読むと、いずれも鉛クロムフリーの錆止め塗料で似ている分、あえて言及し差別化を意識してる感じがします。

品質項目の違い

次に、品質項目の違いを見ていきましょう。

JIS K 5674には
・塗膜中の鉛の定量(質量分率%)
・塗膜中のクロムの定量(質量分率%)
といった品質項目があり、JIS K 5621にはありません。
JIS K 5674は、品質で鉛やクロムが含まれないことを確認しており、
その規格名の通り、鉛・クロムフリーの塗料となります。
しかし、JIS K 5621も「さび止め顔料に鉛系及びクロム系成分を使用しない」としており、
実質的に鉛やクロムが含まれているとは考えられません。
トンチ的には、JIS K 5621ではさび止め顔料以外の成分として鉛・クロムを含むことも可能ですが、現実的ではないでしょう。

その次に違いが大きいのは、サイクル腐食性でしょうか。
JIS K 5621 2種が28サイクルであるのに対し、JIS K 5674 1種は36サイクルであり、より厳しい試験となっています。
このことは、JIS K 5674の冒頭にある
この規格は,環境対応で廃止された,各種鉛含有JISさび(錆)止めペイントの代替えとして開発され,JIS K 5621よりも長期間にわたる屋外での防食性を求められている塗料である。
という記述とも合致します。

また、JIS K 5621 屋外暴露耐候性 と JIS K 5674 防せい性 については、試験項目自体が異なります。
日本塗料検査協会「JIS マーク表示認証に係る製品 JIS の改正情報」
によると、
この規格は、被塗物を短期間におけるさびの発生から保護する塗料であること、及び鉛・クロムフリーさび止めペイント(JIS K 5674)と性能の違いを明確化するために、屋外暴露後に塗膜を剝がしてさびを評価する項目を廃止し、屋外暴露後の塗膜外観を評価する「屋外暴露耐候性」に変更されています。
とあり、JIS K 5621も元々(2008年版まで?)防せい性であったところ、2019年の改正で屋外暴露耐候性に変更されたようです。

ここだけ見ると、
屋外暴露耐候性よりも防せい性の方が厳しい試験であり、JIS K 5621JIS K 5674よりゆるい条件に設定した」
ともみえますが、もちろんそんなことはなく、JIS K 5674より厳しい防食が求められるJIS K 5551では屋外暴露耐候性が品質基準にあります。曝露期間はJIS K 5621 2種では6か月JIS K 5551 では24か月と大きな差はあるものの、JIS K 5621はさび止め塗料のまま暴露し、JIS K 5551では中塗り塗料も塗装することから、JIS K 5621屋外暴露耐候性が極端に緩い試験ということでもなさそうです。

単純に両方を屋外暴露耐候性として、期間に差を設ける方がシンプルだと思うのですが、差別化自体を目的とした印象をうけます。(個人の感想です)

製品の違い

次に、製品について。

具体的な製品名は避けますが、JIS K 5621の一覧をみていると、確かにやや安価品が並んでいる気がします。
それに比べてJIS K 5674を見てみると……これも、基本的に比較的安価な製品が並んでいるように見えます。
ショップ間の価格差がかなり大きいものの、ややJIS K 5674の方が高価な傾向はあるようにも思えます。

では、成分、例えば樹脂種はどうでしょうか。

JIS K 5621を見ると、長油性フタル酸樹脂系(アルキド樹脂)の塗料が多いようです。
当サイトの製品リストでも、記載のないものを除けばすべてアルキド樹脂系塗料のようです。
そしてJIS K 5674を見ると……これも、記載のないものを除けばすべてアルキド樹脂系塗料のようです。
ここに違いはないようです。

結局何が違うのか?

結局のところ、一番明確に違うのは、JIS説明文のようです。
この文章のみでは、やや使い分けに困るところではありますが、とはいえJIS K 5674が比較的長期防せいを目的に使用されることは間違いなく、ここで納得するしかなさそうです。

他に具体的な違いをご存じの方がおられましたら情報求ム。

免責事項

この記事は記者の調査または経験に基づき、その内容には正確を期しておりますが、
購入や採用などの判断を行う場合は、必ず各規格書及び塗装仕様書の原本を確認してください。
また、「ここ間違ってるよ」「このような塗装仕様でも使うよ」といったことがあれば、
お気軽にお問い合わせフォームからご指摘ください。

公開日 2025/10/8
最終更新2025/10/12