JIS K 5492 アルミニウムペイント

概要

JIS K 5492は「アルミニウムペイント」についてのJIS規格で、熱線の反射,水分の透過防止などの目的で主として屋外の銀色塗装に用いるアルミニウムペイントについての規定です。
2026年2月時点の最新はJIS K 5492:2014であり、詳細な規格の内容は下記をご確認ください。
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- 単品販売(JIS K  5492:2003)(JSA)
- 単品販売(JIS K 5492:2003/AMENDMENT 1:2014(追補1)(JSA)

種類

JIS K 5492に種別はなく、一つのみです。

……基本的にはそう考えていいのですが、例外があります。
例外については、深堀り記事にて扱います。

品質

品質項目としては、
・容器の中での状態
・密度
・塗装作業性
・乾燥時間(表面乾燥性)
・塗膜の外観
鏡面光沢度(60度)
隠ぺい率
・耐屈曲性
・耐水性
加熱残分
・促進耐候性
・屋外暴露耐候性 
ホルムアルデヒド放散等級

となっています。

このなかで特徴的なのは、やはり鏡面光沢度でしょう。
JIS K 5660JIS K 5572JIS K 5658そのほか、艶有り塗料の規格で目にする一般的な品質項目ですが、特徴的なのはその規格値、なんと100以上と規定されています。
鏡面光沢度は100分率ですので、基準物質より光沢が大きいということになります。

主な製品

JIS K 5492 に該当する主な製品は下記の通りです。

- 塗料データベース内検索

メーカー 品名
日本ペイント シルバコート
関西ペイント プラチナイトR
神東塗料 MDアルミン
大日本塗料 シルバートップ

※ 主に適合品を記載していますが、一部相当品などが含まれている可能性があります。個別ページ及びメーカー情報を必ずご確認下さい。

現行、あまり製品数は多くないようです。

塗装仕様・必要とされる場面

主に、公共工事建築仕様書などでJIS K 5492が必要とされます。
この規格塗料は建築工事編ではなく機械設備工事編に出てきます。
詳細は以下の仕様書を参照ください。直接該当ページへとリンクしています。

  • 公共建築工事標準仕様書 機械設備工事編(令和7年版)

第3章 保温、塗装及び防錆工事
 第2節 塗装及び防錆工事
  3.2.1 塗装

また、
大阪市水道局 水道施設工事 共通仕様書 ‐第2編‐機械設備工事 2020年4月
において、アルミニウムペイントの塗装仕様としてJIS K 5492規格塗料を含む仕様が挙げられています。

そのほか、
防衛省 土木工事特記仕様書作成の手引 令和6年7月
においても、材料仕様の鋼材塗装仕様として、下記表の通り定められています。

ここに記載の通り、JIS K 54922種が必要となります。

しかし、種別の項で記載した通り、JIS K 5492に2種はありません
これはなぜか……?
ということで、深堀り記事へと続きます。

深堀り①:実は種別がある?

 種類の項に書いた通り、現在のJIS K 5492:2014には種別はなく、一種類のみです。
 これは間違いありません。

 しかし、塗装仕様の項に示したように、防衛省の仕様では2種が指定されています。

また、塗装仕様ではないですが、
国土交通省 航空局 交通管制部 管制技術課 令和7年版 航空無線工事施工管理指針
においては、下記の通り、1種、2種、3種の解説がなされています。

このとおり、国交省や防衛省の資料は、一種類しかないはずのJIS K 5492と食い違っています。
また、これらはそれぞれ令和6年と令和7年の資料であるため、最新JIS K 5492:2014よりも10年以上新しい資料です。
そのため、例えば参照しているJIS K 5492の内容が古いということは考えにくいです。

これについて記者も不思議に思い、調査してみました。
結論としては……

参照しているJIS K 5492の内容が古い

ようです。

かつて、JIS K 5492には種別がありました。
一般社団法人 日本塗装技術協会が太っ腹にも無料公開している
「実用塗装・塗料用語辞典(1976)」アルミニウムペイントの項で、
JIS K 5492:1960の種別を確認することができます。

1種:正反射率の大きいもの 60°鏡面反射率 :100以上
2種:1種と3種の中間品   60°鏡面反射率 :60以上100未満
3種:拡散反射率の大きいもの 60°鏡面反射率 :44以上60未満

とあり、この分類は国交省の資料とも合致します。

また、防衛省の表をよく見てみると、
JIS K 5622 鉛丹さび止めペイント(2010年廃止)
JIS K 5628 鉛丹ジンククロメートさび止めペイント(2010年廃止)
JIS K 5664 タールエポキシ樹脂塗料(2009年廃止)

などが挙げられており、規格についての記述が更新されていないものと推測されます。

なお、JIS K 5492では、2003から2014の更新(追補)時に、
これらのさび止めペイントはJIS K 5674 鉛・クロムフリーさび止めペイント
に置き換わっていますので、用途としては概ね同じと考えて良いでしょう。
(厳密には、塗装規格と試験規格なので単純に読み替えられませんが)

ということで、現在のJIS K 5492では種別が存在せず、
60°鏡面反射率100以上の旧1級相当のみとなっているにもかかわらず、
一部の公的資料ではいまだに1級2級3級の概念が残っていたりするようです。

深堀り②:既調合タイプ?

JIS K 5492取得、または合格をうたう製品のいくつかでは、
既調合タイプであることを性能としてPRしているようです。

既調合タイプの反対は、現場調合タイプです。

一般的に現場調合タイプというと、主剤硬化(促進)剤を混合する製品が多いですが、
アルミニウムペイントでは、主剤アルミニウム(ペースト)を現場で調合するものをさします。

アルミニウムペイントでは、通常のメタリック系塗料で使用されるアルミニウム顔料と違い、
塗装時に塗膜表面に浮いて配向するリーフィングタイプのアルミニウム顔料が使用されます。
(なお、顔料については JIS K 5906 塗料用アルミニウム顔料で規定されています。)

リーフィングタイプのアルミニウムは表面に特殊な処理がされており、
既調合タイプでは、長期の保存でもその性能が失われないよう、
また反応性の高いアルミニウムが酸化しないよう、もちろん固化もしないよう、
塗料物性を調整する必要がありました。

その点で分けて保管可能な現場調合タイプに利があったのですが、
現在では樹脂や塗料技術の進歩により、塗料として安定し、
使いやすい既調合タイプが主流となっています。

免責事項

この記事は記者の調査または経験に基づき、その内容には正確を期しておりますが、
購入や採用などの判断を行う場合は、必ず各規格書及び塗装仕様書の原本を確認してください。
また、「ここ間違ってるよ」「歴史認識おかしいよ」といったことがあれば、
お気軽にお問い合わせフォームからご指摘ください。

公開日 2026/2/4
最終更新2026/2/4