JIS K 5552 ジンクリッチプライマー

概要

JIS K 5552は「ジンクリッチプライマー」についてのJIS規格で、鋼材の防錆に用いるジンクリッチプライマー(亜鉛末及びアルキルシリケート又はエポキシ樹脂及び硬化剤,顔料及び溶剤を主な原料としたもの)についての規定です。
2026年2月時点の最新はJIS K 5552:2023であり、詳細な規格の内容は下記をご確認ください。
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- 単品販売(JIS K 5552:2023)(JSA)
- 目次プレビュー(JSA)

種類

JIS K 5552には、下記のような種類があります

種類 呼び名 概要
1種 無機ジンクリッチプライマー アルキルシリケートをビヒクルとした,
1液1粉末形又は1液1ペースト形のもの。
2種 有機ジンクリッチプライマー エポキシ樹脂をビヒクルとした,
2液1粉末形又は2液形(亜鉛末を含む液及び硬化剤)のもの。

このように、原料によって1種と2種が分かれています。

品質

品質項目としては、下記が定められています。
・容器の中の状態
・塗装作業性
・乾燥時間
・塗膜の外観
ポットライフ
・耐おもり落下性 
・耐塩水噴霧性
・混合塗料中の加熱残分
・加熱残分中の金属亜鉛 
・屋外暴露耐候性

加熱残分中の金属亜鉛という、(JIS K 5553にもありますが)やや珍しい項目があり、1種は80%以上、2種は70%以上と、塗膜重量のほとんどが金属亜鉛ということになります。

実にジンク(亜鉛)がリッチ(豊富・濃厚)ですね。

主な製品

JIS K 5552 に該当する主な製品は下記の通りです。

- 塗料データベース内検索

※ 主に認証品を記載していますが、一部相当品が含まれる場合があります。必ず個別ページ及びメーカー情報をご確認下さい。

1種2種ともバランスよく製品が存在するようです。

塗装仕様・必要とされる場面

主に、公共工事建築仕様書などでJIS K 5552 2種が必要とされます。
詳細は以下の仕様書を参照ください。直接該当ページへとリンクしています。

  • 公共建築工事標準仕様書 建築工事編(令和7年版)

  3節 錆止め塗料塗り

  • 公共建築改修工事標準仕様書 建築工事編(令和7年版)

  4節 錆止め塗料塗り

また、東京都建築工事標準仕様書にもJIS K 5552 2種が記載されています。

一方で、JIS K 5552 1種については、例えば
農林水産省 施設機械工事等共通仕様書
では、JIS K 5552という記述こそないものの、よく読むと
受注者は、 JISに適合した塗料を使用しなければならない。
として、仕様中に無機ジンクリッチプライマー有機ジンクリッチプライマーを明記しています。

大阪府都市整備部 土木工事共通仕様書 令和6年4月
などでも同じように、
受注者は、JIS規格に適合する塗料を使用するものとし、また、希釈剤は塗料と同一製造者の製品を使用するものとする。
として、仕様中に無機ジンクリッチプライマー有機ジンクリッチプライマーを明記しています。


農林水産については個別案件や個別自治体の仕様書でもJIS K 5552の使用を明記しているものがあります。例えば下記です。
https://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/attachment/237086.pdf
https://www.maff.go.jp/tokai/noson/nn/jimusyo/attach/pdf/seinou-45.pdf
https://www.pref.yamagata.jp/documents/3790/h25_11sisetsu.pdf

ただ、それぞれ微妙に指定の仕方が異なり、
例えばJIS K 5552と明記していたりしていなかったりするなどしますが、
実質的に指定している状態です。

さて、ここまでが仕様としてJIS K 5552直接的に指定されている主なものです。

しかし、この規格の使用範囲はこれだけでなく、間接的にはさらに多方面に利用されています。
深堀り記事へと続きます。

深堀り:他規格への利用

JIS K 5552は、鋼構造物などに使用される非常に強力なさび止め塗料であり、鉄道や高速道路などの独自規格のベースとして利用されることが非常に多い規格です。
主に下記のようなものがあります。

NEXCO 構造物施工管理要領

NEXCO 塗料規格 P-02 無機ジンクリッチプライマー
の規格においては、
JIS K 5552(1 種)に示す品質(※)を満たした上で、さらに独自のサイクル防食性曝露防錆性が必要とされます。

※JIS K 5552(1 種)に示す品質項目のうち、容器の中での状態、耐塩水噴霧性及び屋外暴露耐候性を除く。

阪神高速道路株式会社 土木工事共通仕様書関係基準

HDK P-01 無機ジンクリッチプライマー
の規格においては、
本規格の内容は、JIS K 5552(ジンクリッチプライマー)の1種に準拠する。ただし、耐候性は削除した。
となっており、ほぼJIS K 5552 1種同等が求められます。

首都高速道路株式会社 土木材料共通仕様書

SDK P-401 無機ジンクリッチプライマー
の規格においては、
本規格の内容は、JIS K 5552:2010 1 種 無機ジンクリッチプライマーの規格を基本とし、耐塩水噴霧性を耐複合サイクル防食性に、屋外暴露耐候性を暴露防錆性に変更し、赤外吸収スペクトルを加えたものである。
となっており、こちらもJIS K 5552 1種の影響が強い規格です。

鉄道総合技術研究所

SPS 66053-8 無機ジンクリッチプライマー
の規格においては、対応するJIS規格がJIS K 5552 1種となっています。

その他

また、それぞれの具体的な記述までは調べきれていませんが、
福岡北九州高速道路公社 構造物設計基準 FKD-P-01
本州四国連絡高速道路株式会社 HBS K5611
鋼道路橋防食便覧

等でも「無機ジンクリッチプライマー」が定められており、JIS K 5552ベース、または引用されていることが想定されます。

このように、直接的な規格指定だけでなく、間接的な引用として、非常に広く使用されている面が大きい規格です。

免責事項

この記事は記者の調査または経験に基づき、その内容には正確を期しておりますが、
購入や採用などの判断を行う場合は、必ず各規格書及び塗装仕様書の原本を確認してください。
また、「ここ間違ってるよ」「このような塗装仕様でも使うよ」といったことがあれば、
お気軽にお問い合わせフォームからご指摘ください。。

公開日 2026/2/22
最終更新2026/2/22